「うちの子、他の子より手がかかる気がする。」「育てにくいかも。」
と悩んだことはありませんか?
もしかしたらお子さんはひといちばい敏感なHSCさんかもしれません。
実は私自身がもっていた悩みでもありました。私がHSPということもあり、「娘もHSCかもしれないなぁ。」と思い、HSCの特徴と、娘の言動を照らし合わせてみました。
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HSCとは
HSC (Highly Sensitive Child) とはひといちばい敏感な子という意味で、アメリカの心理学者、エレイン・A・アーロン氏が提唱した言葉です。
病気や障害ではなく、持って生まれた性質で、育て方でなるものではありません。
人種や男女差なく、5人に1人がHSCといわれています。
大人になっても変わるものではなく、大人になると、HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれます。
環境によって作られるものではありませんが、よくも悪くも環境に影響を受けやすく、育った環境によって、敏感さが目立たなくなったり、反対にうつや不安症になりやすくなったりします。
HSCの特徴
HSCには、必ず当てはまる4つの特徴があります。
①深く考える(D)
・1つの情報に対して、あらゆる可能性を考えてしまうので、行動に移すのに時間がかかる。
・失敗したらどうしよう、相手はどう思うかなど深く考えてしまうため、「臆病」「慎重すぎる」などと思われがち。
②過剰に刺激を受けやすい(O)
・音やにおい、温度や痛みに敏感で、濡れた服やチクチクする服は着替えたがることがある。
・楽しみにしているイベントでも、すぐに疲れてしまう。
・人に見られる発表会などでは普段の力を発揮できない。
③共感力が高く、感情の反応が強い(E)
・人の痛みを自分の痛みのように感じる。
・怒られている場面を見ると、怒りの矛先が自分でなくても、自分のことのように受け止めてしまう。
・絵本や物語などに感情移入しやすい。
・周りが笑顔でいると、自分も幸せな気持ちになる。
④ささいな刺激を察知する(S)
・小さな変化に気づきやすく、人の髪型や服装の微妙な変化や、物の配置の変化にもすぐに気づく。
・小さな音や、かすかなにおいにも気づく。
・人の表情や声のトーンから、機嫌の良し悪しを察知する。
・痛みにも敏感で、大げさなほど、痛みを訴える。
HSCかもと思った娘の言動
①石橋をたたいて渡らない
幼稚園のプレに通っているときに、実際に先生に言われた言葉です。
例えば滑り台、やりたい気持ちはあるのになかなか一歩を踏み出せませんでした。
他の子はどんどん一人で階段を上り、滑っていくのに対して、娘は必ず「ママも!」と私を誘い、一緒でないと滑れない子でした。
4歳になった今でも、周りに他の子どもが遊んでいると、一人では遊べなくなってしまいます。
②新しいことや人が苦手
初めての場所や人はもちろん、自分が大丈夫だと思えるまでは、行くことを拒否するか、親にべったりくっついています。
幼稚園のお友達と遊んだときですら、夕方まで私にくっつきっぱなしで、夕方ごろになってやっとキャッキャと楽しみ始めます。自宅で遊んでいても、お友達はどんどんおもちゃを出して遊んでいるのに対して、娘はずっと私にくっついているので、どっちの家で遊んでいるのか分からないくらいです。
習い事で、先生が変わると入り口で毎回大泣きするので、先生は固定してほしいと願っています。
③温度に敏感
娘は手を洗うときは、冬でも水を使いたがり、お湯を出していると、「熱い!冷たいのがいい!」と水を出したがります。
食事では、猫舌が過ぎるほど熱がります。冷たくてもいいかと思いきや、それはそれで「冷たい!」と嫌がるので厄介です。(-_-;)
④お出かけしてもすぐに帰りたがる
3歳のとき、はじめて大きな動物園に行ったのですが、入り口周辺の3種類ぐらいの動物を見終わったあたりで「抱っこ!」になり、「もう帰る!」と言い出したときは衝撃でした( ;∀;)
初めての場所で緊張もあり、見慣れない大きな動物に圧倒されたのか、人混みに疲れたのか、はたまた乗りなれない電車に乗ったからか、公園のトイレでおしっこができないからか、思い当たる原因はたくさんありますが、滞在時間30分くらいの動物園デビューになりました。
普段の買い物やおもちゃ屋さんに出かけた時も、こちらから「そろそろ帰るよ。」と言う前に「もう帰りたい。」と言うので、なかなか帰らなくて困ったという経験はないかもしれません。
⑤汚れや濡れに細かい
食事中にヨーグルトやジャムを机にこぼすと、そのたびに拭きたがります。
またこぼすんだから、最後でいいのにと思うけれど、「拭いて!」「まだついてる!」と怒ったり、洋服が少し濡れただけで「着替えたい~!」と訴えてきます。
⑥音や風を怖がる
ちょっと何かの音がすると「え、なんの音?」と聞いてきたり、風が強い日は「風、嫌だ!」と怖がっています。
また、お風呂に入るときに換気扇が回っていると、音が嫌ですぐに換気扇のボタンを押して消してしまいます。
ついこの前まで怖がって湯船に浸かっていなかったので、冬に、冷えないように暖房をつけていたのですが、温かい風が当たることやたまに鳴る音を嫌がって暖房もつけさせてもらえませんでした。
風邪をひかないように気を使っているのに、もどかしいものです。
HSCの娘を育てるにあたって心がけていること
娘を育てるうえで心がけていることは、ズバリ自己肯定感を上げることです。
HSCはそうでない子に比べて自己肯定感が育ちにくいので、次のように接するように気をつけています。
プラスの面を見るようにする
「いつもくっついってばかりで困るな。」とか、「怖がってないでいろんなことにチャレンジしてほしいな。」とマイナスな面に目がいきがちですが、裏を返せば、「親の事を信頼して甘えることができている。」「慎重にものごとを考えているからリスクを避けられる。」とプラスになります。
ずっとくっついていられると家事もできなくて困るし、イライラしてしまうことも多いですが、自分の事を大好きでいてくれていると思って、こちらも「大好きだよー!」とぎゅーっと抱きしめてあげるように心がけています。
強く叱らず、優しく話す
私もついやってしまうのですが、こちらがイライラして強い言葉で叱ったり、ヒートアップしてしまうと、子どもも叫んだり地団太踏んだりとあからさまに興奮してしまいます。強く叱ったり、無理矢理言うことを聞かそうとしてもますます収集がつかなくなってしまうのです。
また、非HSCに比べて、叱られた時のダメージを受けやすく、ちょっとした否定の言葉をあたかも全否定されていると捉えてしまうので、何度も続くと、「自分はダメな子。」と思うようになってしまいます。
なので、私はイライラをグッとこらえて、ひと呼吸おいてから落ち着いて優しい口調で会話するようにしています。子どもと目を合わせて気持ちを共感してあげるように話すと少し落ち着いてくれることが多いです。時間のない朝などはついついこちらのペースに巻き込みたくなりますが、そんな風にすると、意外と時間短縮になることもあります。
たくさんほめる
HSCはダメージを受けやすかったり、自分を責めたりするので、親のひと言で余計にダメージを与えないように注意しています。
過去の失敗を気にして心配になったり不安になったりしているときも、「失敗した」ことの中にも「できたこと」を見つけていきます。
例えば幼稚園でおもらしをしてしまった場合、娘なら「またもらしたら嫌だから幼稚園行かない。」と言いかねません。そんなときは、「先生に言うことができた」「着替えることができた」と、‘’ほめポイント‘’を探してほめるようにしています。そうするとダメージを最小限にとどめて、次の日からも幼稚園に行ってもらえるかなと思います。
子どものペースを尊重する
娘はつい最近まで「怖い」といって湯船に浸かりませんでした。冬は風邪をひくのではないかと心配で、どうにか入ってもらえないかと思っていました。
3歳半検診のときに保健師さんに相談したところ、「全然入らなくても問題ないですよ。清潔にしてれば大丈夫。外国人は湯船につからないでしょ?」と言ってもらえたので、「それもそうだ。」と、のんびり構えることにしました。
すると、4歳になった頃、何がきっかけか分かりませんが、急に「お風呂入る!」と言い出し、湯船に浸かるようになったのです。今では「きもちいい~」と毎日浸かっています。
子どもなりに「お風呂は浸かるもの」「でも怖い」と葛藤しつつ、「やってみよう」と思えるまでに時間が必要だったんだなと思います。親に無理矢理入れられるより、自分で一歩踏み出したことで自信になっているのではないかなと思っています。
まとめ
HSCはひといちばい敏感な性質を生まれ持った子どもです。
環境やしつけの影響を受けやすく、自己肯定感を持ちにくい性質なため、ひといちばい自己肯定感を育ててあげたいですよね。
とはいえ、分かっていても、共感したり、ペースを合わせたりするのはなかなか難しいこともありますよね。癇癪がひどいと、毎日付き合っているとこちらもへとへとになってしまいます。
けれど、私たち親は、こんなに悩むほど、子どものことを考えています!とにかく「大好き」という気持ちがあれば、うまくいかないことがあっても、子どもはきっと分かってくれています!
その気持ちが伝わっていれば、自己肯定感は育っていくと思います。そう信じて日々の子育てを一緒にがんばっていけたらいいなと思っています。
HSCのことを勉強したのはこちらの本です↓